則武千鶴さん(京都市中京区/色鉛筆画家)
2022/03/13
女性のための起業塾(通称はたぼう塾)卒業生インタビュー
京都市中京区にお住まいの色鉛筆画家、則武千鶴(のりたけ・ちづる)さんをご紹介します。千鶴さんは、20年あまりの会社員生活を経て、2019年に独立後、色鉛筆画教室(Atrier Sen アトリエセン)をオープンされました。
仕事も主婦業も全力で取り組んできた千鶴さん。ある時、「子供のためでも会社のためでもない、自分のための時間がほしい、自分が楽しめることがしたい!」と、お勤めのかたわら週末に絵の活動を始め、数年後には自然な流れで起業されました。
そんな千鶴さんに、これまでの歩みをお伺いしました。
千・絵画教室 アトリエセン主宰。京都府八幡市出身。京都市立芸術大学卒業後、グラフィックデザイナーとしてキャリアを積む。子育てがひと段落したことをきっかけに、2012年ごろから画家活動を開始。現在、自宅とは別のアトリエ(Atrier Sen)で絵画教室を開きながら作品づくりに勤しむ日々を送っている。
千鶴さんは、美大を出てグラフィックデザインの仕事をされていたんですね
はい、大学時代は、彫刻を専攻しとても充実した日々を過ごしました。新卒で大阪市内のデザイン会社に就職し、商業用のポスターやチラシの制作に携わっていました。社内恋愛で26歳で結婚、デザイン業界からは一旦離れ、パートで一般事務職も経験しましたが、やっぱりデザインの仕事がしたい! と印刷会社に就職しました。
結婚後のキャリアはどんな感じだったんですか?
広告デザインのほか、ページものの会報誌の編集もたくさん経験させてもらいました。“好き”と“得意”とが重なり、充実した日々。平日は8:30~17:00勤務。朝起きて、子供を保育所にあずけ、終日仕事。仕事が終われば、子供をお迎えに行き、ご飯を食べさせ、お風呂に入り、寝るという毎日を送っていました。
<幼いころのふたりの娘と>
39歳の頃、上の子供が小学校に入学し、子育てがようやく落ちつき、自分の時間を持てるようになりました。そんな時、ふと「私って絵を描くことが好きだったなあ」と思い出しました。純粋に、画家になりたかった若いころの自分を。それから、空いた時間を使って色鉛筆で絵を描き始めました。その頃は、今より体力も気力もありあまっていましたね。寝る間も惜しんで絵を描くのがとっても幸せでした。
ある時期、アート系のフリーマーケットにたくさん出展しておられましたね
そうそう、そうなんです。一番はじめは、仲良くしてもらっているコピーライターさんと合作で絵本を手づくりして、当時、京都文化博物館のアートフリーマーケットに出展しました。楽しみながらつくった絵本が、20冊完売したのがとても嬉しかったです。
<初めてつくった絵本の挿絵>
その後もいろんなところで出展しました。絵だけでは目を留めてもらえない! と自作のビーズアクセサリーも販売。根っからの負けず嫌いのおかげで、アクセ作りに本気で取り組んだところ、クオリティがどんどん上がっていき、ポストカードや絵よりも、アクセサリーの方が売れる様になってしまいました。それで、「あれ? 私って絵を描きたかったんだった」と思い出し、アクセサリー作りはきっぱりやめました。<フリーマーケットでアクセサリも販売していたころ>
それから、画家活動を本格的にスタートされたんですね
はい、以前から気になっていた、寺町のギャラリーで、初の個展を開催しました。自らお店に足を運んでギャラリーさんに予定を抑えてもらい、まずは“作品展だ!“という目標を作ってしまってから作品作りに挑んだんです。けっこう無謀なチャレンジでした。その後は、知り合いの紹介で、比叡山のギャラリーでも個展を開催したり、様々な所でグループ展に参加したりしました。
そのうち、「絵画教室をやりたい!」という気持ちが芽生えました。どこかでやらせてもらえないかと京都のカルチャー教室をいろいろとネットで調べ、2018年冬頃からとあるカルチャー教室で約半年、講師を勤めさせてもらいました。ふりかえると個展も教室も、我ながら積極的に動いていたなと思います。やりたい想いをガソリンに、無我夢中でした。
起業塾(はたぼう塾)に来られたきっかけは何だったんでしょうか?
勢いでお教室や絵画販売をいざ始めてみると、お客さんがなかなか集まらずで。畠中さんとはもともと知り合いで、販促塾の活動をSNSで見ていたこともあり相談しました。私のような週末起業では、美容サロンやお店などの経営者さんが多い“はたぼう塾”の塾生として対象ではないのではないか思いつつ畠中さんに問合せてみると、本業でも副業でも基本は同じのことで、入塾を決めました。
起業塾(はたぼう塾)に通って、どんなことを学べましたか?
いちばんは、根拠のある自信がつきました。私のセールスポイントはなんなのか、どんなお教室にしたいか、どんな生徒さんに来て欲しいか、私はどんな日々を過ごしたいのか。夢を現実におとしこむためのあらゆるアドバイスをもらい、愚直に実行しました。基礎編を修了したあとは、それをカタチにしたプロフィールシートが完成できました。
その後応用編のグループコンサルを受けています。恥ずかしがり屋で筆不精の私が「文章なんて絶対ムリ!」と思っていたブログも、やってみると案外たのしい! いまでは週3くらいで更新できています。独自ドメインのホームページ(https://atelier1000.com)を立ちあげることでセルフブランディングもできました。また、絵の活動とは別に、これまでのキャリアを活かし、フリーのグラフィックデザイナーとしての自分の価値を発信することもできています。
あとぜひお伝えしておきたいのは、“はたぼう塾”のほかの塾生さんたちとの交流がめっちゃたのしいということ。食や美容・ファッション・占星術のプロの方々に、人生がより豊かになるヒントをいっぱいもらって実践しています。いま、日々のなかで自分を大事にできていることがとても嬉しいです♪
いよいよ会社をやめて起業を決意されましたが、どんな感じでしたか?
はい、まさか自分が会社をやめるとは思ってもいませんでした。決まったお給料がもらえなくなるなんて、すごく怖いですから。でも副業として数年やってきて、なんとなくいけるかもと自信がついてきてもいました。絵をもっと描く時間がほしい、絵を描く楽しさを伝えたいという夢を実現するため、2019年の秋に、19年間お世話になった会社を退社しました。やってみたら、意外となんとかなるものですね。
<はじめて開催したお教室の作品展(ONO* オーエヌオー Atelier & Spaceにて)>
最初はご近所の絵画教室さんでコマを持たせてもらったのち、自宅でお教室をスタートし、いまでは自宅とは別のアトリエを構えて、創作活動とお教室を開催しています。できることから少しずつ積み上げていけています。
これからの展望があれば教えてください^^
「絵を描くこと」をもっと身近で、気軽に楽しんでもらいたい。そのきっかけづくりとして、アトリエセンを選んでもらえるようになりたいです。小さいお子さんはみんな上手下手関係なく、絵を描く・色で遊ぶ・工作することが大好きです。その純粋な気持ちをみなさんで共有できたら嬉しいです。
そのために、画家として、もっともっと表現の幅を広げつつ、日々の暮らしをおもいっきりエンジョイしていきたいと思います。
(取材・文/西原芽ぐみ、編集/畠中陽子)
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千鶴さん、インタビューへのご協力ありがとうございました!
京都のどまんなかで活動されている千鶴さんのInstagramもぜひご覧ください♪
生徒さんの作品のほか、趣味のカフェめぐりやスケッチの様子にとっても癒されますよ~
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