たった1枚のはがきが変えた ちいさな工務店の運命
2017/10/20
2000年代後半、関西のとある工務店のお話し。
棟梁のご主人が社長をつとめる工務店では、昨今の不況のあおりをうけて売上が下がるいっぽう・・・。地元の地域では腕がいいし仕事も他店に比べてていねいだという自負もあった。やはり時代のせいか。しかし子供たちもまだ10年は学費がかかる時期だしこのままでは本当に経営がたちゆかない、どうしたものか?
そんな風に悩むご主人をみていた奥様。会社の経営、実務にはそれまでまったくかかわらず、家庭を守っていたが、あまりにもご主人がつらそうなので、なにか自分にできることはないか? と考えたが、自分には経営の経験もなくどうしたらいいかさっぱりわからない。せめてものヒントを求めて書店へいった。そこで・・・ある一冊の本と運命の出会った。
1枚のはがきでお客様を感動させる本
奥様はこう思った。
”はがき1枚を書くくらいなら、私でもできそう”
経営のことなんてさっぱりわからない、集客もわからない、でも、はがき1枚書くくらいなら、私にはできる。それで少しでも主人の手助けになるなら・・・。この本のモデルはがき文をお手本に、その日からまいにちまいにち、奥様はお客様にはがきを書き続けた。季節のごあいさつ、お礼状、節目のお祝い・・・。
やがて「こないだおはがきありがとう。ちょっと台所のリフォームの相談のってほしいんやけど」と、少しごぶさたのお客様から電話がかかってくるようになった。
そして。
工務店の年商は4倍になった。
たった一つ、いままでと変えたことは、「お客様にはがきを出したこと」だけだった。
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こちらの聡明な奥様、実は、私が趣味で通っている絵手紙教室をたちあげてくださった方。誠に残念ながらつい先日、ご病気で急逝されました。まだ50代。直接お会いしたことはなかったのですが、奥様への感謝と敬意をここにしるします。心よりご冥福をお祈りいたします。
はたぼう
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